英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

中国の赤い月

 中国はいかにして科学の世界を支配しうるようになったか。エコノミスト最新号である。

 今からちょうど100年前。学生運動の波が中国の大都市を覆った。五四運動であり、一世紀後の今、儒教主義を捨て、西欧のダイナミズムを輸入した。現代中国が生まれたのは、科学と民主主義を取り入れたからだ。

 五四運動の学生たちが求めたものは、現代に至り、国家の偉大さを追求する形で消費されている。中国が1月3日に月の裏側に宇宙船を着陸させたのは、中国が求める野望の一つの到達点でもある。

 しかし、現代の中国指導者らは、科学が民主主義に従属する考え方を受け入れない。それとは反対に習主席は、最先端の研究をいかに政治のもとにつなぎとめるか、苦心している。米中の間で競争が激しくなっている中、西側諸国の多くの人々は、習氏が勝利するのではないかと恐れている。

 習氏が決定したように、現代科学はお金次第、組織や頭脳の集積次第の面がある。そして、中国政府はこの三つを組織化することができる。暗黒物質ニュートリノの探求に巨額の資金を使うことができる。

 こうした事実は中国の科学者にとって、手段よりも結果を求められるという圧力となっている。

 https://www.economist.com/leaders/2019/01/12/how-china-could-dominate-science

ユンケル委員長の最後の努力

 ユンケル欧州委員長は、イギリスのメイ首相と協働し、破滅的な投票結果を招かないよう努力を続けている。

 アイルランドの歯止めを1年以上伸ばすよう、論争の的であるこの問題についてメイ首相と最後の交渉を試みている。来週火曜日に英国議会で行われる採決を前に、ユンケル氏とメイ首相が書簡を交換している。

 ユンケル氏は、再交渉の可能性はないが、事態を明確にすることはありうる、と述べている。そして、合意なきブレグジットは英国自身にとって破滅的であるだけでなく、大陸欧州にとっても破滅的だ、と述べた。

 一つの選択肢が、2021年末までに英国と貿易協定を結ぶことを含めた、追加的な約束を加えることだ。しかしこれは、英国をEUの関税協定に封じ込める、恒久的な措置になるのではないかと、保守党議員が恐れている措置である。

 EUはすでに、2020年末までに貿易協定に到達するための最善の努力を費やしていると述べている。

 https://www.ft.com/content/979bf172-157c-11e9-a581-4ff78404524e

続く黄色いベスト運動

 晴れ。

 フランス国内の抗議活動はフランスの都市機能を麻痺させている。土曜日、フランス中部の小さな街が、マクロン大統領の反政府運動家らの衝突の中心舞台となった。これはフランス全体を覆う悲しみを目的に国家的な議論が行われる前の出来事だった。

 抗議活動に参加した70歳の退職者は、グローバリゼーションのエラーのおかげで、フランス市民は代償を支払うことになった、と話す。

 行進の大半は平和的なものだったが、黄色いベストを着た過激な小集団は警察部隊と衝突した。似たような場面が何度も繰り返され、マクロン大統領は数十億ユーロの妥協を行わざるを得なかった。

 マクロン大統領は黄色いベスト運動をなだめるため、燃料税の増税を取りやめる一方、暴力的な抗議活動には厳しい姿勢で臨んでいる。マクロン氏にとっての一つの問題は、黄色いベスト運動は交渉相手となるリーダーがいないことだ。マクロン氏を金持ちの代表で、貧しい普通の人々の生活を改善するための努力をしていないだとか、さまざまな批判をする人々の集まりである。黄色いベスト運動の参加者の多くは、マクロン氏の辞任を求めている。

 マクロン氏は黄色いベストを侮蔑している、と参加者の一人は語る。

 最新の世論調査によると、この抗議活動の支持率は強く、60%の支持率がある。しかし、12月から10%低下している。

 https://www.ft.com/content/2f517eda-1698-11e9-9e64-d150b3105d21

続く政府閉鎖

 曇り。

 米政府の閉鎖が依然として続いている。部分的な政府閉鎖は今週、歴史上最長の記録を更新し続けている。トランプ大統領は国家の緊急事態であると宣言するのかどうか、ためらっている。

 一方、数十万人の連邦職員らは、金曜日に最初の給与支払いを受けることができなかった。そのことが、議会議員やホワイトハウスに、早く政府閉鎖を終了させるよう求める圧力を高めている。

 同時にホワイトハウスの幹部らは、この手詰まり状態が今後数週間続くことを見通し、その準備を始めている。ホワイトハウスと議会民主党の交渉は、トランプ大統領側が壁建設に57億ドルが必要だと要求したことで、手詰まり状態に陥っている。もし明確な前進がなければ、今週、トランプ大統領は非常事態宣言を出すと述べていた。そして、議会の承認なしに他部署の予算を壁建設に回すとまで述べている。これは法的な論争を招くが、政府閉鎖を終わらせることはできる手段である。

 しかし、トランプ氏は金曜日、我々は国会非常事態宣言を行うことが今直ちにすべきこととは思わないと述べた。1月29日の年頭教書演説を利用し、移民危機を訴える考えも浮上している。

 https://www.wsj.com/articles/trump-plays-down-emergency-option-to-get-wall-funding-11547238564?mod=hp_lead_pos1

フォードの欧州事業リストラ

 晴れ。

 フォードが欧州事業のリストラを計画している。世界的なビジネス見直し作業の一環である。赤字を垂れ流している欧州事業は、数千人のリストラと工場閉鎖、低採算モデルの販売中止などを含んでいる。

 フォードのハケットCEOによる幅広いコスト削減努力の一環である。

 https://www.wsj.com/articles/ford-announces-major-european-restructuring-11547117814?mod=hp_lead_pos6

高まるFedへの警戒感

 Fedの議論が金利上昇を招いている。

 先月開かれたFOMCの議事要旨が公表され、利上げに量的な限界があると意識されている。激しく変動する金融市場とインフレ率の上昇が鈍っていることが、利上げを一層進めていくうえでより時間がかかるとの考えをFed内に巻き起こしている。

 Fedは先月、0・25%の利上げを行った。

 https://www.ft.com/content/330f234c-143b-11e9-a581-4ff78404524e

続く米政府閉鎖

 晴れ。

 国境の壁をめぐる協議である。トランプ氏は話し合いは時間の無駄だとして、議会首脳陣との協議から立ち去った。下院のペロシ議長は民主党としては、壁建設の予算は認められないと通告した。政府閉鎖を打開する道筋は見えなくなっている。

 トランプ大統領はツイートで、ペロシ氏と上院のシューマー議員との話し合いは時間の無駄であった、と述べた。上院の民主党リーダーらはトランプ氏に対し、政府機能を再開させるよう要請したが、大統領は短期の支出法案には同意できないと突っぱねた。

 結局、トランプ氏は話し合いに応じることなく、議論も行われなかった。

 政府閉鎖は史上最長となる19日間続いている。

 https://www.wsj.com/articles/trump-says-bypassing-congress-still-an-option-on-wall-11547056461?mod=hp_lead_pos1

 米中貿易協議も進展はあったようだが、まだハードルはいくつも残されているようだ。

 米中の最初の一対一の貿易協議が終了した。合意に向け、一定の進展はあったようだが、よりハイレベルの協議で解決すべき問題が依然として残されている。問題となっているのは、中国国内企業に対する補助金の削減や知的財産権の保護などだ。

 https://www.wsj.com/articles/u-s-and-china-make-progress-on-trade-but-major-hurdles-remain-11547049544?mod=hp_lead_pos5